小林賢太郎より

『ノケモノノケモノ』の作品紹介

物語
 ざっくりいうと、普通の人が不思議な世界に迷い込むお話。ざっくりすぎるか。こういった「巻き込まれ型」の物語は、古今東西やまほどあります。代表的なものは「不思議の国のアリス」でしょうか。本作はファンタジーというには題材がとても現実的。なにしろ主人公は少女ではありません。おっさんです。
 けっして堅苦しい演劇ではありません。演劇?いや、「長いコント」くらいに捉えていただいて問題ないです。笑って笑って、最後にちょこっと考えて。そんな楽しみ方をしていただけたら幸いです。

美術・小林賢太郎
 本作の演出の最大の特徴は、僕が描いた絵が登場するということ。これまでも劇中の多くの美術を担当してきましたが、これほど全面的に僕の絵画が登場するのは初めてです。
 この作品のセットには色がありません。シンプルなデザインのセットに、僕が描いた絵が投影されることで、それが背景となり物語が綴られていきます。沢山の絵を描きました。準備期間中は、稽古場で稽古をしているか、アトリエで絵を描いてるかのどっちかでした。これは演劇公演でありながら、展覧会でもあります。
 しかもその絵が、あの手この手で動きます。しかし、ふつうのCGアニメや、はやりのプロジェクションマッピングとは少し違います。どう違うかというと、うーん、やってることは単純なんだけど、説明が難しい。まあ、見れば分かります。アナログで、ちょっと珍しい、そんな映像パフォーマンスをお楽しみ下さい。

小林賢太郎

『ノケモノノケモノ』の出演者のご紹介

 最新作『ノケモノノケモノ』いよいよ公開間近となってまいりました。ここで出演者のご紹介をいたします。

 音尾琢真。『ノケモノノケモノ』の主演俳優です。彼の舞台や映像作品を見て、その表現力に惚れ込みました。そして「僕の脚本で音尾琢真が演じれば絶対面白い」という根拠のある自信を、今回やっとカタチにすることができるわけです。もの凄いものが生まれようとしています。音尾琢真を観に来てください。

 辻本耕志。言わずと知れた小林作品の常連パフォーマー。今回彼には無尽蔵に面白いセリフを与えています。過去の共演作品の中で最多ボケです。量もそうですが、種類も最多。コメディーアクターとしての守備範囲の広さに感心するばかりです。辻本耕志を観に来てください。

 高橋良輔。気になるでしょう。小林作品初参加。今回の座組では最年少です。彼の舞台を見て、ムラムラして声をかけました。「君に足りないのは僕だ」と素直に思いました。案の定、小林作品の中でピタッと居場所を見つけてくれています。高橋良輔を観に来てください。

 小林賢太郎は、ちゃっかりお気に入りの役になりました。僕は「生活感がない」だとか「実在しなさそう」だとか言われることがあるんですが、まさにそんな役です。その正体は…見てのお楽しみ。
 今回、脚本・出演の他に、美術も担当しています。背景など劇中のビジュアルワークは、自分の手で生み出しました。よく「頭の中がどうなってるか見てみたい」って言われます。だから見せます。僕の中にある世界を、観に来てください。

 こんな4人でお贈りするのが『ノケモノノケモノ』です。どうだ。劇場でお待ちしております。

小林賢太郎

「ノケモノノケモノ」製作快調

 昼も夜もなく、「ノケモノノケモノ」をいじくりたおしております。出演者一同、それぞれの役と向き合うことで、作品に魂がこもっていくのを感じます。
 ところで小林賢太郎、気がついたら41歳になっていました。自分の誕生日にこんなにも興味がないなんて。だってそれ以上に面白いことがあるんですもの!毎日最高ですよ。
 5月21日、東京から全国公演スタートです。よろしくお願いします。

小林賢太郎

小学生の君へ

 なぜでしょう。最近小学生のみなさんからお手紙をいただきます。いつも僕の作品を楽しんでくれてありがとう。
 みなさんから寄せられた手紙の中に、よく質問が書かれています。全員に手紙でお返事を出すのは難しいので、ここでお答えしますね。
(似た質問はまとめさせていただきました。)

Q;今の仕事についたのはどうしてですか?
A;絵を描いたり、お話を考えたり、自分がつくったもので人を楽しませるのが好きだったので、それを仕事にしました。

Q;小林さんの仕事はなんていうんですか?
A;僕はふたつの仕事をしています。ひとつは舞台作品をつくること。これは「劇作家」と言います。もうひとつは、身体でそれを表現すること。これは俳優ともいえるかもしれませんが、自分のつくった作品にしか出演してないし、いろいろ変なことをやるので、パフォーミングアーティストと名乗ることが多いです。

Q;やっていてよかったことはなんですか?
A;お客さんが笑ってくれたり、拍手をしてくれたりすると、本当に嬉しい気持ちになります。

Q;大変なことはなんですか?
A;考えること、つくること、発表すること、どれもとっても大変なことです。分かれ道があったら、大変な方を選ぶようにしています。そうしないと、誰かが出したことのある結果しか出せないからです。

Q;小林さんみたいな職業になるには、どんなことを努力すればいいですか?
A;自分が人を楽しませるには、自分も何かを観て楽しむことが大切だと思います。とくに子供の頃にこそ、沢山の感情を味わってほしいです。テレビ、映画、演劇、音楽、スポーツの試合など。どんどん笑って、どんどん泣いて、どんどん感動してください。

Q;子供のころ好きだった遊びは何ですか?
A;漫画もおもちゃも、自分で考えて、つくりだすことが好きでした。漫画を描くのが好きな友達を集めて漫画雑誌をつくって、学級文庫に置いたりしてました。お中元やお歳暮の時期には、必ず空き箱をもらっていました。立体迷路やら、オリジナルのトランスフォーマーをわりと本気でつくった記憶があります。
 葉っぱや虫の死骸を地面に埋めて、1年後に掘り起こして化石になっていないかどうか調べました。なっていませんでした。

Q;どうしたら賢太郎さんみたいに頭が良くなれますか?
A;残念ながら、僕の頭は実に一般的なものです。ただ、その使い方は人一倍しつこいと思います。アイデアや面白いことがスイスイ思いつくわけではありません。たどり着くまで考え続けるのです。

いかがでしたでしょうか。お役に立てたらなによりです。

小林賢太郎

爆笑オンエアバトルが終わるのですね

 今から15年前、1999年3月。渋谷のNHKにある最大のスタジオ「101」で、第一回「爆笑オンエアバトル」の収録がおこなわれていました。僕はラーメンズとして参加させて頂きました。楽屋では出演者のみなさんが厳しい目で他の芸人さんのネタを観ていました。「これはいったな」とか「うわー、ウケてるじゃん」とか言って。そんななか、僕と片桐仁はひとのネタを観て大爆笑していたのを覚えています。不真面目だったわけではないんですよ。コントが好きなんです。やるのも観るのも。
 オンエアバトルでは沢山のことを勉強させて頂きました。このたび番組が終わるときいて、珍しく昔を振りました。
 あれから15年後の今日、偶然にも同じ101スタジオで「小林賢太郎テレビ」を収録しています。「僕はまだここでコントをやってる。15年、何も変わってないじゃないか」なんて思いながら、変な衣装でコーヒーをすする小林賢太郎。まだまだ、ここからここから。

小林賢太郎

新作「ノケモノノケモノ」です

 演劇作品の新作が発表になりました。タイトルは「ノケモノノケモノ」です。ずいぶん前から準備を進めてきました。やっと情報が解禁されたことを嬉しく思います。
 ときに僕の作品は、コントはコントらしくなく、演劇は演劇らしくないことがあります。今回も、演劇作品と銘打ってますが、まさにそんな感じになりつつあります。演劇らしくない小林演劇。芸術の意思に逆らわず、自由にどん欲に向き合っていきたいと思っています。
 出演は、音尾琢真、辻本耕志、高橋良輔、小林賢太郎。5月21日、東京から全国ツアースタートです。よろしくお願いします。

小林賢太郎

のぞき穴、哀愁

 先輩劇作家、土田英生さんの演劇作品『のぞき穴、哀愁』を観てきました。僕は『小林賢太郎テレビ6』製作のまっ最中ではありましたが、合間を縫って観に行って本当に良かったです。とても素晴らしかったんですもの!観ながら「土田さん、いいのつくったな~」と、気持ちよく嫉妬させてもらいました。僕ももっとがんばらなくちゃ。
 劇団MONO『のぞき穴、哀愁』は、これから名古屋、北九州、大阪公演へと続きます。オススメです。
http://www.c-mono.com/

賢太郎

小林賢太郎テレビ6、製作中です

 『小林賢太郎テレビ』というテレビ番組をつくっています。わたくし小林賢太郎による、年に一度のコント番組。今年で6回目を迎えました。
 内容はですね、水で割らないイソジンとでもいいましょうか、溶かない味覇とでも言いましょうか。かなり濃い作品になりそうです。のどカラカラになりながら絞り出しております。
 オンエアは少し先です。きちんと決まったら直ちに報告します。頑張ります。お楽しみに!
 …例えはカルピスでも良かったのか。

賢太郎

謹賀新年、質問をくれた方へ

 あけましておめでとうございます。今年もよりいっそう質の高いエンターテインメントを目指してがんばります。どうぞよろしく。
 さて、昨年末の舞台のアンケート用紙に、いくつかの質問を頂きました。ここにお答えします。がんばって9問答えました。必要としている人に届きますように。

Q;賢太郎さんはご自身が表現したいことを自由に表現できていらっしゃいますが、不自由だった時代はありますか?だとしたらその枠をどうやってとりはらいましたか?
A;未だに不自由なことは起こります。でも、つくりたいものをつくりたいようにつくれていないと、僕には生きてる意味がありません。だから立ち向かいます。できる方法を考えて実行します。たいていの問題は、「人」か「時間」か「お金」です。時間とお金は知恵と工夫でなんとかなります。問題は、人。これはもう、コミュニケーションしかない。一番めんどくさいですけど、苦手とか言って避けていては前進はないようです。

Q;どうしてそんなに元気なんですか?
A;どうしてこんなに元気なんでしょうか。走り回ってるからかなあ。好きなんです、走るの。筋トレとか、ストレッチは、職業柄ふつうにやってます。

Q、お仕事をされているとき以外で、何が一番楽しいですか?
A、う~ん。何かを練習しているときかなあ。いや、どれも仕事のためだしな。興味のおもむくままに旅。いや、これも結局は取材になるしな。無趣味。おもしろみのない人間のようです。お恥ずかしい。

Q;小林さんはいつもどのくらい絵をかいていますか?
A;絵コンテや、舞台で使う絵はしょっちゅう描いてます。あとは、いつ何につながるか分からない、とくに人に見せる予定のない絵も描いたりしてますよ。こういうのがイメージの貯金になったりするんです。

Q;以前、多摩美術大学で講義をされたと聞きましたが、母校以外ではやってもらえないんでしょうか。
A;そんなことないですよ。劇作家のセミナーで笑いの構造を説明したこともありましたし。僕の創作理論なんかでよければ。

Q;ひとつの舞台作品を作り上げる期間はどのくらいでしょうか。
A;ざーっくりいうと、勉強や構想に約一ヶ月、絵コンテおよび脚本執筆に約一ヶ月、稽古に一ヶ月。初日を迎えるまでにだいたい三ヶ月かけてます。

Q;共演者はどうやって選ぶのですか?
A;僕が舞台などを観に行って「いつかこの人に書きたい」と思ったら、いったん心の奥にしまっておきます。新作の企画が出来た段階で、頭の中でいろんな人を当てはめてみて「これだ!」って人がキャスティングされます。今僕は新しい才能に出会いたいと思っています。もし僕の作品に出演したいと思ってくださる役者さんがいらっしゃいましたら、まずは僕に舞台のご案内をいただけると嬉しいです。

Q;すきなひこうきはなんですか?ぼくのしょうらいのゆめはかんせいかんです。
A;ボーイング747です。「ハッピーフライト」という映画をおすすめします。管制官にご注目。

Q;僕は学校の勉強が嫌いです。賢太郎さんは好きですか?どうしたら学校の勉強が好きになりますか?
A;まさか小学生からこんな質問がくるとは!ええと、僕は子供の頃、勉強が大っ嫌いでした。中学生の頃には、まわりからは「バカだ」とか「頭が悪い」とか言われ、差別を受けていました。僕は心の中で「そうかなあ」と思ってましたが、勉強なんて全然しなかったし、成績も最悪でしたから、まあ言われても仕方がなかったですね。ただ、絵を描くことと、文章を書くことと、考えることは好きでしたので、科目としては美術、国語なら作文、数学なら図形や証明、このへんは楽しかったです。普段0点の僕が突然100点をとると、これはこれで「バカのくせに」と変な目で見られました。ようするに、僕はいじめられていました。バカだからよくわかってない、というフリをしてましたが。
 どうして僕たちは勉強が嫌いになったのでしょうか。人間はもともと勉強が好きな動物だそうです。知らないことを知ったり、出来ないことを練習することは、脳に気持ちのいいことなのです。ただし、それは「やる勉強」のこと。「やらされる勉強」は嫌いにもなりますよね。教科書に書いてあること、本当に知りたいですか?出来るようになりたいですか?興味がないんですよね、きっと。
 でもね、君に残念なお知らせ。「やりなさい」と言われたことを、興味がなくても「やる」ということが、大人になるにつれ大量に現れます。好きか嫌いかなんて関係なく、ただ「やる」。これに子供の頃から慣れていかないと、本当に苦労しますよ。だから僕も君に言うよ、「やりなさい」。人生が豊かになるという巨大なご褒美がゆるやかにやってきますから。

小林賢太郎

(質問の文章は簡潔にまとめさせていただいているものもあります。重複している質問はまとめさせていただきました。)

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