小林賢太郎より

テクネに出演します

 NHK Eテレの、映像の技法を紹介する番組「テクネ」に出演します。僕は「映像+パフォーマンス」というテーマで参加させていただきました。お楽しみに。 小林賢太郎

初のロンドン公演

 How did you hear about me!? 満員御礼!「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」ロンドン公演の千秋楽を無事に終えました。ロンドンっ子の皆さん、なんで僕のことを知ってるんですか!? 販売した席だけでは入りきれなくて、見づらい席にまでふくらんでご入場いただきました。
 会場となったのはレスター・スクエア・シアター。ウエスト・エンドと呼ばれる劇場街にあります。客席数は本多劇場と同じくらいですが、雰囲気は劇場というよりライブハウス。舞台芸人の血が騒ぎました。「これこれ、この感じ」。こぢんまりとした楽屋も、僕のお気に入り。

 ロンドンでは二日間上演しました。みなさん楽しみ方が積極的だと感じました。笑うし、うなるし、拍手も強い。千秋楽、日本の文化を学んでいる学生さんたちが観に来てくれました。終演後に感想を聞く機会がありました。みなさん気に入った場面を教えてくれたり、どうやって作ったのかを質問してくれたりしました。好きな日本の芸能人は誰ですか?と聞いたら、いろいろ答えてくれましたが「Kentaro Kobayashi」という声はとくに上がりませんでした。がんばります。

 というわけで、「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」東京、パリ、ロンドン。これにて終了。大変でしたが、とても勉強になりました。ツアー全体を通して感じたのは「大切なのは、どこでやるかより何をやるか」ということでした。これからも、良い作品を生み出すために自分の全部を使い切っていきます。
 ご来場、ありがとうございました。じゃ、僕もなんか舞台観て、日本に帰ります。

小林賢太郎

二度目のパリ公演

 「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」パリ公演の千秋楽を無事に終えました。満員御礼。こんなにも大勢のフランス人が、なぜ僕のことを知っているのか、不思議でなりません。
 初日を終えたあと、劇場のロビーでパーティーがありました。これは、こちらの劇場では普通のことで「カクテル」と呼ばれるものです。日本語にするならば「初日乾杯」ってところでしょうか。参加者は、劇場の関係者、劇評を書くライターさん、こっちで活動されている同業者、なんか偉い人、など。いろんな人が入れ替わり立ち替わり、僕に感想を述べていく。フランス語のシャワーを浴びる中、僕が聞き取れた単語で一番多かったのは「Poétique/ポエティック」でした。「詩的」ということです。なるほど、悪い気しない。
 取材も受けました。いくつかの劇評もでました。そして、今後のお誘いをくれたところまでありました。この街に居場所がある、そう感じました。
 自分で描いた絵を次々と背景に投影し、パントマイムやマジックを織り交ぜながら、コントとも演劇ともつかないパフォーマンスをする。こんなデタラメなショーを、フランスは実にあっさりと受け入れてくれたのです。
 「コント公演」「演劇作品」。僕は普段、日本のエンターテインメントビジネスの仕組みに従って、作品の肩書きをいちおう名乗ります。これは商品として扱ってくれる人たちを困らせない為の礼儀だと考えています。
 しかし一方で「ジャンルへの執着は作品の爆発を妨げる」とも考えています。作り手としては「作品を良くする」ってことだけに固執していればいいのです。そんな僕に、フランスは優しかった。
 パリには多種多様なステージパフォーマンスが存在していて、それぞれがしっかり市民権を得ています。僕の作品も「ジャンルに属さない珍しさ」ではなく「質の高さ」で評価していただけたと感じました。泣きそうです。
 2年半ぶりのパリ公演。今回のお客様の中には、前回の公演を観て、また来てくれたという方も多くいらっしゃいました。皆さんの記憶があるうちに、またこっちで上演できたらいいなあ。

 滞在中の空き時間に、王立サーカス学校の卒業公演を観に行きました。とっても素敵でした。テントの前で配られていた地元のエンターテインメント情報誌を見たら、僕が出ててびっくりしました。

 いやー、ムッシュポツネン、お疲れさまでした。では次なる開催地、英国、ロンドンへ行ってまいります。

小林賢太郎

パリにいます

 僕のライブのポスターが飾られたガラスの建物に、エッフェル塔が反射しています。パリです。

 ソロ公演「ポツネン氏の奇妙で平凡な日々」の上演にやってまいりました。つくった自分でも謎が多いこの作品、フランスの観客にどう映るのでしょうか。とても楽しみです。

小林賢太郎

質問をくれた方へ

昨年もお手紙や公演のアンケートで質問を頂きました。頑張って10問お答えしました。必要としてくれる人に届きますように。  ※重複した内容の質問はまとめさせていただいています。  ※質問文は簡潔にまとめさせていただいているものがあります。 Q;ファンレターは賢太郎さんの手元に届いているのでしょうか。読んでくれていますか? A;できるだけ読みたいとは思ってます。僕は制作期間中、作品に集中するために、あえて情報を遮断します。だので、事務所宛に届いたファンレターはある程度の期間保管され、僕の時間と頭に余裕ができたとき、スタッフがまとめて渡してくれます。  お手紙の中には演劇公演のご案内が同封されていることもあるので、失礼ながらまずスタッフが開封して、確認してくれています。(僕の手元に届いたときには、すでに上演が終わっていたことがあったので)  そしてもうひとつごめんなさい。僕はファンレターに返事を書いていません。返事を書くべき手紙と書かないでいい手紙、僕にはその優劣がつけられません。全員に書けない以上、書くべきではないと判断しました。  ただし、手紙の中には大切な質問が書かれていることがあります。それで、ここにこうしてお答えするようになりました。 Q;どうやって今の職業をやると決めましたか?どこからそんな勇気が出てくるのですか?「好きなことをやる」というのと「この世界で生きていく」ということを考えたとき、不安はありましたか? A;とくに勇気を出した記憶はありません。うまくいかなかったらどうしよう、という考えはまったくありませんでした。「自分で作ったもので人を楽しませたい」という思いが物心ついたときからありました。始めた記憶がないので、辞め方がわかりません。どうしましょう。 Q;小林さんは役者と演出の両方をされていますが、稽古のときはどのようにしているのですか? A;もちろん共演者と一緒になって稽古をしますが、演出家席に座って前から見るときは、僕の代わりに誰かに演じてもらいます。たいてい後輩の芸人です。 Q;小林さんは作品で多くの人にメッセージや思いを伝えるとき、心がけていることはありますか? A;「答え」ではなく「問題とヒント」を伝えたいと思っています。答えは受け取る人によって違っていいと思うのです。僕の考えを観客に押し付けないように心がけています。 Q;お芝居のテーマはいつもどこで見つけるのでしょうか。自分の中をひたすら掘り下げるのでしょうか。 A;芝居のテーマに関しては、机に向かってウンウン唸って生み出したりはしません。生活のすべてを作品づくりに向けていれば、おのずとやるべきことが見えてくるので、それに従っています。 Q;大学の演劇サークルで演出をやっていますが、なかなかうまくいきません。演出家として役者全体をどうやって団結させていますか? A;僕もかつては同じようなことで悩んだ時期もありました。「もっと一流の人とだけ仕事をしたい」だなんて思ったりして。けれど「一流の人と仕事をしたければ、まずは自分が一流になることからだ!」って考えるようにしました。いいんですよ、こう考えると。人のせいにしなくて済むので。  今の僕の現場にはプロしかいないので、演出家として団結を要求するまでもなく、みんな作品に対して協力的です。  演劇部諸君、頑張って下さい!応援してます! Q;小説を書いています。ひとりよがりになってやいないか、不安になります。どうしたらいいでしょうか。 A;誰かに読ませて反応を待てば分かることです。ウケるか、スベるか、どっちでもないか。ネットにアップすることもできますしね。タイトルを見た人に、どうすれば「読んでみたい」と思ってもらえるか。読み始めてくれた人に、どうすれば「最後まで読みたい」と思ってもらえるか。読み終わった人に、どうすれば「他のも読みたい」と思ってもらえるか。これを考えて実行することが、ひとりよがりではなくなる、ってことですから。  誰にも読ませないのなら、ひとりよがりでいいと思います。無責任でいいし、自分だけで楽しめれば、それでいいんだから。  でもさ、ウケたいよね。僕もそうさ。 Q;最近観た映画や読んだ本で面白かったのはなんですか? A;「範馬刃牙」 Q;大阪のことは好きですか? A;大好きです! Q;思いもよらない出来事があって、大きな挫折をしてしまいました。賢太郎さんは挫折を経験したことはありますか?どうやったら立ち直れますか? A;みんなしっかり挫折して、体全部で悩んでる。学校のこと、仕事のこと、将来の夢。こういう人生相談みたいな質問をいただくと、思うんです「こういうことはもっとちゃんとした人に相談してください」って。僕は多分いろんな意味で例外なので。  でもみなさんも「よし、ここはひとつ小林賢太郎に相談してみよう」って思うくらいの変わった人なわけです。変な人どうし、誠意を持ってお答えします。  きっと人生って、自分が思ってるより「すごい」んですよ。良くも悪くも。あなたもきっと思ったでしょう「すごいなおい」って。「こんなことおこるか」って。僕もそう。生きてれば思いもよらない出来事は避けられないんです。  人生が僕たちの想像通りになるほど、人間の想像力は豊かではありません。想像以上に複雑で、繊細で、すごいんです。  では、僭越ながら、僕が思う「挫折からの立ち直り方」を。  まず「ザセツ」という呪文を使うのをいったんやめましょう。「ザセツ」って語感が強すぎるんですよ。なんだか「ザ・切腹」略して「ざせつ」みたいで耳に刺さる。この言葉にがんじがらめになってしまわないようにしてください。  もちろん「挫折の主役」をやりたいのなら、やりたいだけやってればいい。でも僕は時間がもったいないと感じてしまう方なので、次の行動に出ちゃいます。  というわけで、僕の挫折からの立ち直り方は、「挫折」を「次のことへのきっかけ」くらいに解釈しちゃう、という都合のいいものでした。  …なんて言われても、今まさに暗闇の中にいる人にとっては、こんなのんきなコントおじさんの考え方なんて、ピンとこないかもしれませんね。  まあ、とりあえずご飯食べて寝てください。  あなたはとっても疲れています。悩みごとに立ち向かうには、意外と体力が必要ですよ。体が疲れると判断力は確実に落ちます。つらいときこそ、僕は「規則正しい生活」ってやつの底力を感じます。  あともうひとつ。笑ってください。  昨年あなたが泣いていたのなら、2015年は笑ってほしいです。そのために、僕の作品が役に立てたなら、これほどの喜びはありません。 小林賢太郎

謹賀新年

 明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。 小林賢太郎
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