小林賢太郎より

謹賀新年、質問をくれた方へ

 あけましておめでとうございます。今年もよりいっそう質の高いエンターテインメントを目指してがんばります。どうぞよろしく。
 さて、昨年末の舞台のアンケート用紙に、いくつかの質問を頂きました。ここにお答えします。がんばって9問答えました。必要としている人に届きますように。

Q;賢太郎さんはご自身が表現したいことを自由に表現できていらっしゃいますが、不自由だった時代はありますか?だとしたらその枠をどうやってとりはらいましたか?
A;未だに不自由なことは起こります。でも、つくりたいものをつくりたいようにつくれていないと、僕には生きてる意味がありません。だから立ち向かいます。できる方法を考えて実行します。たいていの問題は、「人」か「時間」か「お金」です。時間とお金は知恵と工夫でなんとかなります。問題は、人。これはもう、コミュニケーションしかない。一番めんどくさいですけど、苦手とか言って避けていては前進はないようです。

Q;どうしてそんなに元気なんですか?
A;どうしてこんなに元気なんでしょうか。走り回ってるからかなあ。好きなんです、走るの。筋トレとか、ストレッチは、職業柄ふつうにやってます。

Q、お仕事をされているとき以外で、何が一番楽しいですか?
A、う~ん。何かを練習しているときかなあ。いや、どれも仕事のためだしな。興味のおもむくままに旅。いや、これも結局は取材になるしな。無趣味。おもしろみのない人間のようです。お恥ずかしい。

Q;小林さんはいつもどのくらい絵をかいていますか?
A;絵コンテや、舞台で使う絵はしょっちゅう描いてます。あとは、いつ何につながるか分からない、とくに人に見せる予定のない絵も描いたりしてますよ。こういうのがイメージの貯金になったりするんです。

Q;以前、多摩美術大学で講義をされたと聞きましたが、母校以外ではやってもらえないんでしょうか。
A;そんなことないですよ。劇作家のセミナーで笑いの構造を説明したこともありましたし。僕の創作理論なんかでよければ。

Q;ひとつの舞台作品を作り上げる期間はどのくらいでしょうか。
A;ざーっくりいうと、勉強や構想に約一ヶ月、絵コンテおよび脚本執筆に約一ヶ月、稽古に一ヶ月。初日を迎えるまでにだいたい三ヶ月かけてます。

Q;共演者はどうやって選ぶのですか?
A;僕が舞台などを観に行って「いつかこの人に書きたい」と思ったら、いったん心の奥にしまっておきます。新作の企画が出来た段階で、頭の中でいろんな人を当てはめてみて「これだ!」って人がキャスティングされます。今僕は新しい才能に出会いたいと思っています。もし僕の作品に出演したいと思ってくださる役者さんがいらっしゃいましたら、まずは僕に舞台のご案内をいただけると嬉しいです。

Q;すきなひこうきはなんですか?ぼくのしょうらいのゆめはかんせいかんです。
A;ボーイング747です。「ハッピーフライト」という映画をおすすめします。管制官にご注目。

Q;僕は学校の勉強が嫌いです。賢太郎さんは好きですか?どうしたら学校の勉強が好きになりますか?
A;まさか小学生からこんな質問がくるとは!ええと、僕は子供の頃、勉強が大っ嫌いでした。中学生の頃には、まわりからは「バカだ」とか「頭が悪い」とか言われ、差別を受けていました。僕は心の中で「そうかなあ」と思ってましたが、勉強なんて全然しなかったし、成績も最悪でしたから、まあ言われても仕方がなかったですね。ただ、絵を描くことと、文章を書くことと、考えることは好きでしたので、科目としては美術、国語なら作文、数学なら図形や証明、このへんは楽しかったです。普段0点の僕が突然100点をとると、これはこれで「バカのくせに」と変な目で見られました。ようするに、僕はいじめられていました。バカだからよくわかってない、というフリをしてましたが。
 どうして僕たちは勉強が嫌いになったのでしょうか。人間はもともと勉強が好きな動物だそうです。知らないことを知ったり、出来ないことを練習することは、脳に気持ちのいいことなのです。ただし、それは「やる勉強」のこと。「やらされる勉強」は嫌いにもなりますよね。教科書に書いてあること、本当に知りたいですか?出来るようになりたいですか?興味がないんですよね、きっと。
 でもね、君に残念なお知らせ。「やりなさい」と言われたことを、興味がなくても「やる」ということが、大人になるにつれ大量に現れます。好きか嫌いかなんて関係なく、ただ「やる」。これに子供の頃から慣れていかないと、本当に苦労しますよ。だから僕も君に言うよ、「やりなさい」。人生が豊かになるという巨大なご褒美がゆるやかにやってきますから。

小林賢太郎

(質問の文章は簡潔にまとめさせていただいているものもあります。重複している質問はまとめさせていただきました。)

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