小林賢太郎からのメッセージ

質問をくれた方へ

公演のアンケートにみなさまからの質問をいただきました。頑張って10問答えました。

※重複した内容の質問はまとめさせていただいています。
※質問文は簡潔にまとめさせていただいたものもあります。

Q;ピアノの発表会ですぐにアガってしまいます。小林さん流の緊張しない極意を教えてください。(その他、演劇やプレゼンテーションなど、同類の質問が多数)

A;まず、緊張はしなくちゃだめです。緊張感のない本番はうまくいきませんし、怪我のもとです。僕は張り詰めた強い気持ちで本番に臨むようにしています。本番前にリラックスしすぎていると感じたときは、わざと緊張するために、舞台の袖まで行って、お客さんの気配を感じ、集中力を高めるようにしています。
 しかし「アガっちゃう」というのはよろしくない。
 例えば、こんな考え方はどうでしょうか。友達にプレゼントをわたすときにアガっちゃう、なんて人はあんまりいないと思います。人前で何かを発表するときに、不必要な緊張をしてしまうというのは「こんなに良いものなのだから、きっと喜んでもらえる」という気持ちが足りてないのかもしれません。
 大事なのは発表するものの魅力を自分がよく理解すること。ピアノだったら「ねえねえ、この曲すっごい好きなんよ。今弾くから聞いてみて。どう?いいっしょこれ」っていう気持ち。
 主役はあなた個人ではなくて作品です。好かれたい、評価されたい、という個人のおごった思いが作品より前にあると、アガっちゃう原因のひとつになってしまうかもしれません。みんなにあげる特別なプレゼントを用意するつもりで、ピアノの練習、がんばってくださいね。

Q;公演の前には何を食べますか?

A;本番前の食事は、日常のそれとは考え方がまったく変わります。炭水化物をとり、血糖値を上げます。揚げ物もちょっと食べます。唐揚げ一個で高音が楽になります。公演期間中は痩せちゃうので、よく食べるようにしています。衣装さんに迷惑かけないようにっていつも思ってるんですけど、ツアー後半でサイズダウンした衣装を仕立て直すことがよくあります。

Q;アイデアはどんな媒体にメモをとるのですか?

A;ノートを一冊持ち歩いています。舞台、映像、展覧会、出版、あらゆるジャンルのアイデアメモを、すべてこの一冊に書きます。このやりかたにはメリットがあります。まず「あれってどこにメモしたっけ」というメモ迷子がなくなります。あと、ノートを見かえしているとき、ある作品の為のメモが、別の作品の思わぬヒントになることもあります。

Q;言葉で物事を表現するとき、どういうことに気をつければ伝わるようになりますか?

A;まず伝える側にできることは、正確に表現することをサボらないということ。専門的な言葉や面白い言葉を選ぶ、という意味ではありません。必要なのは、内容や気持ち、その場の状況や立場から、正しい言葉を選ぶということです。普段の会話を、便利で楽な言葉で済ませていないか、自己審査してみてください。
 そして、「伝わる」ということの半分は受け取る人の仕事です。発信と受信、この両方で「伝わった」ということが成立するわけです。伝える側は、受け取る側のために、いかにお膳立て出来るかが大事。自分が発した言葉で、どのくらい理解できるか、情報は足りているか、不必要な情報で惑わせてはいないか。
 表現力とは、コミュニケーション能力そのものです。

Q;おにぎりの具で、一番好きなのはなんですか?

A;ツナマヨ。

Q;パントマイムはどうすれば上手くなりますか?

A;実は、僕がコントの中で使っているパントマイムは、プロのパントマイマーがやるそれとは少し違うものです。いうなればコントのためのマイム。パントマイムと違って、それそのものがショーの主役になるわけではありません。観客を笑わせたり驚かせたり考えさせたりするための、ストーリーを表現する手段のひとつです。
 コントのためのマイムに大事なのは「無意識の行動を意識下に持ってくる」ということです。普段なにげなくやっているはずの動きも、マイムで表現しようとすると、けっこうやることが多いんです。
 たとえば、コップの水を飲む、という動きをやってみてください。普段なにげなくやっているこんな行動も、コップなしで、まったく同じように動いたつもりでも、たいていできていない。
 まず、飲みたい、という動機の強弱は表現できていたか。コップに対して水がどのくらい入っているかで、持ち方や、口をつける動きも変わってきます。飲みこむ瞬間は、目はどこを見ているでしょうか……。重さ、温度、味…。丁寧に動けば、環境だって表現できます。
 意識下に持ってくるって、こういうことです。これを基礎として、その場面の目的を機能させていく感じです。どうだ、わけわかんないだろう。
 これを文章で説明するのは極めて難しい!ワークショップでレクチャーするか、あるいはメソッドを文章化するか……。うーん、なんか考えます。

Q;暗転したときに安全に動くコツを教えて下さい。

A;本番前に暗転チェックというのを必ず行っています。真っ暗な中で移動するシーンの動線確認です。そのとき、わずかでも光を探しておきます。舞台袖にある操作盤の小さな赤い光とか、客席足元にある誘導灯とか。それを灯台みたいに目印にして移動することもあります。さらに、リハーサルでは、暗転中にスタッフや共演者がどう動いているかも把握します。本番でぶつからないように。
 そして本番。確実な暗転を判断するように心がけています。「消えた!」と思っても、照明の光源を見ると、まだ光が残っている場合があります。それがきちんと消えてから動き出します。動くときは力を抜いた腕を前に出し、手の甲を盾にして歩きます。セットや人にぶつかったときに、安全に対応できるポーズです。

Q;秘密の場所はありますか?

A;ありますよ。とある漁村です。いつもひとりでこっそり行って、釣り糸をたれます。猫がやってきて、近くに座ります。僕の釣った魚がほしいようです。魚をあげたことはありませんが、話しかけてくるので、返事はしてやります。まあまあ話し込むことも。
 誰にもきっとありますよね、お気に入りのひとりの時間。皆さんのも教えてほしいなあ。

Q;いっぱいのせりふを、どうやっておぼえるんですか?(8歳)

A;いくつかのやりかたがあります。
 たとえば「右に曲がって、左側をまっすぐ行って、右側にわたってから、もう一度右に曲がって、すぐに左に曲がって少し行ったら、ななめ左に見えてくる」。こんなセリフがあったとしたら、とっても覚えにくいですよね。でも君は、家から学校までの行き方を覚えてると思います。それは、実際に行ったから覚えられたのです。これ、セリフも同じ。
 僕は台本をながめていてもなかなか覚えられないので、その場面を経験するつもりで想像します。ちょっと難しい言い方をすれば、記憶のコツは「情報を経験に置き換える」ということです。「暗記する」のではなく「知る」って感じかな。

Q;小林さんが子供のころなりたかった人はだれですか?僕は小林さんみたいになりたいといつも思っています。どうしたら小林さんみたいになれますか?(小学生)

A;僕は子供のころ、テレビ番組「できるかな」のノッポさんみたいになりたいと思っていました。ノッポさんは、毛むくじゃらの相棒と、いろんなものを作って見せてくれる、帽子をかぶった背の高いおじさんです。……だいぶ近いところには来た気がします。
 僕みたいになりたいんですか。ずいぶん変わった子だ。そんな君に、良い知らせをひとつ。なんと、君は、君のプロになる才能を誰よりも持っています。それがどんなことなのか、ぜひ自分で探してみてください。僕がのっぽさんの真似をして育ったように、もし君が僕の真似をして、自分自身のオリジナルに気がつくヒントをつかめたら、僕はとても光栄に思いますよ。

いかがでしたでしょうか。必要としてくれる人に届きますように。

小林賢太郎

福岡展覧会、終了

 「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術 展」、福岡での開催が無事に終わりました。ご来場ありがとうございました。新しく展示された作品やグッズ販売など、お楽しみいただけましたでしょうか。
 閉館後、会場スタッフの方に伺ったら、長期間に及んだ展覧会でしたが、展示品が壊れるなどのトラブルもなく、お客様のマナーが実に良かった、とのことでした。小林、とても嬉しい。
 次は5月に仙台で開催予定です。仙台では、とっておきのあれやあれを展示します。お楽しみに。

小林賢太郎

「うるう」大千秋楽。そして……

 小林賢太郎演劇作品「うるう」は、2月29日、下北沢の本多劇場にて、大千秋楽を迎えました。ご来場ありがとうございました。
 4年に一度のうるう年のうるう日を題材につくった演劇作品「うるう」。4年前に初演して、「また4年後にできたらいいな」なんて思っていたら、こうして叶いました。ほっとしています。
 そして、「うるう」は絵本になりました。タイトルは「うるうのもり」。内容は、舞台版とは少しだけ違います。これはこれとして、オリジナルのつもりで向き合いました。ですので、舞台「うるう」を観てない方にも、お楽しみいただけると思います。
 上演期間中、会場の物販コーナーの「うるうのもり」が、品薄になってしまいました。そこで、在庫を持っていた本多劇場の下のヴィレッジヴァンガードさんが、急遽出張で本多劇場まで売りに来てくれました。劇場版ヴィレッジヴァンガード、特例だそうです。ヴィレヴァンさん、ありがとうございました。
 実は昨年、とくに発表こそしませんでしたが、小林賢太郎のステージが1,000回を超えました。これまでの積み重ねが、実を結んできたと感じています。
 「うるう」を終えて、アトリエの窓から森を眺めながら思いました。「また4年後にできたらいいな」って。
 チェリスト徳澤青弦氏に最大限の感謝を。

小林賢太郎


札幌公演終了

 札幌、マイナス6度。かでるホールにご来場のみなさま、ありがとうございました。ツアー最後の旅公演は、まっしろな雪に覆われ、きりりと終わることができました。

 次はホーム、東京、下北沢、本多劇場です。よろしくお願いします。

小林賢太郎

いわき公演終了

 いわき芸術文化交流館アリオス。雪。お足元の悪い中、たくさんのご来場、ありがとうございました。「東北のお客様はおとなしい」なんて聞くこともあります。いやいやいや、とんでもない。あの大騒ぎ。笑うわ泣くわの大喝采。とても嬉しかったです。
 東北での上演は仙台が多いのですが、今回はいわきでした。いわき。ひらがなで、いわき。好きです、ここ。あ、仙台には、5月に展覧会でお邪魔します。そちらもお楽しみに。

 次は札幌です。よろしくお願いします!

小林賢太郎

名古屋公演終了

 アートピアホールにご来場の皆様、ありがとうございました。満員御礼の2日間。客席から感じる圧力は、とても濃厚でした。味噌味。
 「うるう」は一人芝居です。セリフは単純計算で2人芝居の2倍。4人芝居の4倍。数百人の観客を必死で楽しませる。終わると、ひとり楽屋にボテッと座り込む。へとへとまんじゅう。でも、頑張りがいがあるのです。がんばったぶん、ちゃんと伝わってる実感があるのです。ありがとう「うるう」。

 さあさあ、次はいわきです。さあさあ。さあさあさあ。よろしくお願いします!

小林賢太郎

広島公演終了

 記録的寒波の中、来場ありがとうございました。やっぱりアステールプラザは客席が遠すぎなくて、ライブ感たっぷり。直接「伝えてる」っていう実感がありました。がんばってよかった。

 次は名古屋です。よろしくお願いします!

小林賢太郎

美術展が福岡で始まりました

 「小林賢太郎がコントや演劇のためにつくった美術 展」が、福岡で始まりました。
 展覧会は2014年の青山スパイラル以来です。あれから作品も増えまして、初公開のものも沢山あります。
 場所は天神、三菱地所アルティアム。3月13日までやってます。よろしくどうぞ。

小林賢太郎

大阪公演終了

 サンケイホールブリーゼにお越しの皆様、ご来場ありがとうございました。大きな劇場、カーテンコールの熱い喝采、楽屋に届く分厚いアンケート。充実感をとても感じております。
4年前の千秋楽はこの劇場でした。あのときはまだ「4年後にまた上演できたらいいなあ」なんて思っていたのを思い出します。いま再び「うるう」を演じられることを、本当に嬉しく思っております。

 次は広島です。よろしくお願いします!

小林賢太郎

北九州小倉公演終了

 2016年、最初のステージが、ここ北九州芸術劇場となりました。とてもきれいな劇場。気分いいです。沢山のご来場、ありがとうございました。
 毎ステージ、ぜんぶ出し切っております。体力とか、感情とか、いろいろ、ぜんぶ。終演後は、もう、無(む)。楽屋で蝋人形みたいに動けない姿を、スタッフに笑われてます。
 「うるう」は、そんなタフな作品です。とはいえ、お客様におかれましては、どうぞお気楽に。
 次は大阪公演です。Sit back, relax, and enjoy the show!

小林賢太郎

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